空を飛んだ喜八少年 還暦のたび 六 烏の試験

Posted at 07/09/05 Comment(0)» Trackback(0)»

十日、気持ちよく晴れてすがすがしい朝を迎えた

とはいうものの、すこし気の重い何かが頭の中をよぎっている。
というのは、七谷さんが仲良く暮らしている
「カラスの一家」と僕が「初対面」で友達になれるかどうかという

大変シビアな「試験」が待っていたのである。

これは彼が僕と会うたびにカラスの一家との
「涙ぐましい平和条約を締結するまでのドラマ」を聞かされていたからである。

まずは「旅人、君の車をすこし移動してくれ」「なんで」
「いつもと違う車が止まっていると警戒して降りてこないんだよ」「よっしゃ」

彼は何とも意味不明な「カラス語」?で合図をすると。
いずことも無くカラスが飛んできて屋根の上に止まった。

いよいよ私の「人間としての品評をうける」試験の始まりである。

冷ややかに七谷氏は笑っている。丸いテーブルの上に卵を二つおいた。

音も無くスーと降りてきてしっかりと加えて飛び立った。
誠に見事な「立ち居振る舞い」思わず「美しい」と思った。

七谷氏はうなずきながら笑っている。
こうして優雅に「人間を監察して」カラスと遊んでいるのだろうか恐ろしい男である。

二回目である今度は急降下で足でつかんでの試技であった
「タッチアンドゴー」これは見事に失敗

思わず彼は大笑いで「あいつは、お前にいい所を見せようとして失敗した」
「そうだよなあのスピードでは無理だよなァ」

「でもそう度々あることでは無いんだ、お前を喜ばそうと一世一代の芝居だったんだ」
「あはははァ」「あっははァ」実に愉快な気分であった。

しかしこんな風に空の上から「人間どもを見ている」と思うと背筋が寒くなってくる。

私は「八咫烏」を思いだした。

「あの瑞鳥を思えばさもあらん」

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