第五部 日本海 五

Posted at 07/08/22 Comment(0)» Trackback(0)»

お世話をするといっても
ヤタクンはまだ大人になっていませんが
六尋(ひろ)もありますから(十メートル六十㎝)
一人や二人では手が足りません

なん十人もの人がお手伝いしてくれました

それを聞いたお殿様が
直じきにお医者様に
みてもらえるようにして下さいました

お医者様は
お薬をヤタクンに塗って下さいました

「さァもういいですよ
よくこんな嵐の中頑張りましたね
ゆっくりお休みなさい」と
お医者様が声をかけて下さいました

ヤタクンは泣きながら
「どうもありがとうございました」と
お礼を言いました

ヤタクンは喜八くんのことが心配で心配で
涙が止まりませんでした

お寺の中では
すでに地図を囲んで
先ほどの立派なお侍さんを中心に
喜八少年の捜索範囲の検討や
人数の配置をすでに始めていたのでした

明々とローソクをともし
夜遅くまでお話し合いをして下さいました
朝になり明るくなってきました

ヤタクンは「かあァ~かあァ~」と
大きな声でなきました

すでにお寺の皆さんや
お侍の皆さんが
勢ぞろいをして
それぞれの隊列で駆け出していきました

ヤタクンも飛び出そうと
羽を動かしましたが
痛くて何時ものようには動きません

昨日手当てをしてくれた
若いお坊様が飛んできて
「だめですよ昨日のお医者様が
動かないようにとおっしゃっていますから」

ご住職も「ヤタクン疵が治るまでしばらくお休みなさい」
といって下さいました

「皆さんで手分けをして探していますから
きっと見つかりますから
喜八さんを信じて待ちましょう」

ご住職は若いお坊様に
あとを頼んで
仏様の前で喜八少年が
生きているのを念じて
一生懸命お経を上げて下さいました

"第五部 日本海 五"へのトラックバック

トラックバック先URL

"第五部 日本海 五"へコメントを投稿

(運営者が承認するまではコメントは表示されません。しばらくお待ちください。)

上の情報を保存する場合はチェック