第五部 日本海 対馬

Posted at 07/08/22 Comment(0)» Trackback(0)»

元気を取り戻した
喜八少年とヤタクンは
お殿様に拝謁(はいえつ)
することになりました

お殿様は
今回の大変さを
お分かりになって
二人にねぎらいの
お言葉をおかけになりました

「そうじゃな私も朝鮮のご住職に
手紙を届けてもらおうかな」

「かしこまりました」

「これあのお品を」と云って
ご家来になにやらもってこさせました

それは新しい着物とおいしそうなお菓子でした

「もう一つこれは喜八くんにはちとむずかしい話じゃが
朝鮮の王様のお遣いで〔通信使〕の皆さんが
もう朝鮮の都をお出になった五百人もの行列ゆえ
どこか出会うやもしれん
もしお会いすることがあれば
対馬の宗が楽しみにお待ちしておりますとお伝えくだされ」

喜八少年には少し難しすぎてわかりませんが
ここのお殿様も大切なお仕事をされていらっしゃるのだと思いました

喜八少年とヤタクンはお殿様にお礼を云ってお別れをしました

そして万松院のご住職やお侍様はじめおせわになったみなさんに
お礼とお別れの挨拶をして気持ちも新たに旅たちの準備をしました

お山の上から海から来る上昇気流に乗ればたやすく飛びたてます

ヤタクンはそういうこともチャンと知っています

「喜八くんいい風がふいてきた」
「よし行こう」
「じゃあ皆さんありがとうございました」
「元気でねぇ」

お寺の上を旋回して
お城の上をまた旋回して
お殿様やお姫様みんな手をふって見送って下さいました

「ありがとうございましたァ」いちばん大きな声で
喜八少年は叫びにもにた声で心の底からお礼を言いました


ふたりは豆酘の多久頭魂神社に
お礼の参拝に向いました

ふたりとも何も云わずにここに
お参りに来ることはきまっていました

もうだめかとあきらめかけた命を
お助けいただいた
ここの神様にお礼をして
旅立とうとしていたのでした

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