第五部 日本海 対馬

Posted at 07/08/22 Comment(0)» Trackback(0)»

豆酘崎(つつざき)では
大変な騒ぎです

村の人は総出で
喜八少年を取り囲み
お医者様の手当てをみています

お侍様の感が当たっていたようで
この豆酘湾は
対馬の一番南にあり
とてもよい港もある
入り江になっておりました

しかし喜八くんが発見されたのは
遥か山の上

それも多久頭魂神社(たくつたま)
と云う霊験あらたかな神社の
ご神田にうちあげられていたのです

この神社は
日本に一番早く
「赤米」が伝わったところで
このお米が「ご神体」という
何とも不思議な所へ軟着陸したのです

右手にしっかりと
熊野本宮大社の宮司様の
お手紙をにぎったまま
大の字に眠るがごとく
気をうしなっていたのでした

お医者様のお話しでは
死んではいないのだが
目を覚ましてくれないとのことです

そこであの侍様が

思わず膝をたたいた

「そうだヤタクン君が
喜八くんにお薬とお水を飲ませて上げなさい
きっと目を覚ませてくれますよ」

お医者様も「そうじゃそうじゃそれは良い考えじゃ」

「では早速ご用意しましょう」

お医者様が喜八くんの
くちびるにお薬を水でといて薄くぬりました
そしてヤタクンが
くちばしに含んだ水を上手にかけました

一度二度三度してるうちに
喜八くんの顔に
血の気がよみがえって
きたではありませんか

お医者様は「もう大丈夫だよヤタクンよかったね」

お侍様は
「きっとあの油紙で包んだ手紙が
浮きぶくろになって沈まずに
喜八くんを浮かせていたのだろう
そして大きな波と風で
こんな高い所まで
運んでくれたに違いない」

「それにしてもこんなことが
あるのだろうか不思議なことじゃ」

村の人も「よかったよかった、本当によかった」
みんな喜八少年の無事をよろこんでくれました

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